平衡機能障害と水泳
前回、私たちの身体の外部情報を受け取る五感(アンテナ)の話をしました。実はそれ以外に身体の内部情報をコントロールしている感覚器、「平衡感覚」があります。平衡感覚はご存知内耳にある「三半規管」がつかさどっています。
今、あなたの姿勢が「立っている」とか「寝ている」とか「座っている」とか・・・、どんな姿勢をしているかを察知していますが、目が回ったりとか乗り物酔いしたりとかめまいとか・・・、平衡感覚がくるうとフラフラして立っていられなくなることもあります。
また三半規管の障害もあって、フラフラ酔っ払いが歩いているような「平衡機能障害」があります。
ちなみにフランスのロジェ・カイヨワ(Roger Caillois)は、「遊び」を「“アゴーン:競争”、“アレア:運”、“ミミクリー:模倣”、“イリンクス:めまい”の四つである」と分類して考察しています。
この中で水泳は競泳を除けば“めまい”の遊びです。つまり自転車、スキー、スケートなどの遊びの仲間になるのですが、平衡機能障害になると歩くことも困難になる場合があります。この場合、自転車、スキー、スケートは難しいかもしれません。しかし水泳は最初から寝た姿勢なので失敗(転倒)の心配はありません。
したがって水泳は平衡機能障害でも可能と思われます。『可能と思われる』というのは、過去に平衡機能障害の子どもも当クラブに在籍したのですが、長く継続することはありませんでした。つまり恥ずかしながら「よくわからない」というのが現状です。すいません。